談話会のお知らせ
Rileyが探知した鉱脈
16:30--17:30
講演者
作間 誠(広島大学)
タイトル
Rileyが探知した鉱脈
アブストラクト
異色の数学者 Robert F. Riley (1935-2000) は自分のことを
“a 19th-century mathematician with the added advantage of being able to use modern computational tools”
と描写していた.まだコンピュータが普及していなかった当時からコンピュータを活用して結び目群の線形表現を中心に研究を進め,樹下・寺坂結び目とコンウェイ結び目の非同値性の初めての証明,8の字結び目補空間の双曲構造の構成,2つの放物変換で生成される離散群の研究,などの業績を残した.自分の研究を「example only」と評する諧謔も残しているが,Thurston に多大な影響を与えた8の字結び目の研究に代表されるように,その研究は豊かな鉱脈を探知していた.本講演では,Riley の業績を振り返り,その影響と示唆する今後の研究課題を,講演者の研究も交えながら述べる予定である.
参考文献:
R. Riley, A personal account of the discovery of hyperbolic structures on some knot complements, Expo. Math. 31 (2013), no. 2, 104–115.
M. Sakuma, A survey of the impact of Thurston’s work on knot theory, In tradition of Thurston, ed. K. Ohshika, A. Papadopoulous, pp.67–171, Springer 2020.
開催場所
Zoom
連続講義:なお11月29日から12月2日までZoomで集中講義が開催されます.初回は11月29日の13時30分開始です.