講演者

大本 享（早稲田大学）

タイトル

Multi-singularity Thom polynomials

会場

埼玉大学理学部2号館5階10番教室

アブストラクト

Hilbertの第 15 番問題とは，雑駁に述べれば「19 世紀古典数学の真骨頂である数え上げ幾何学について厳密な基礎付けを与えよ」という問いである．80年代に確立したFulton-MacPhersonによる交叉理論により，ひとまずはその基盤が出来たと言ってよいが，ここには「点配置のモジュライ」に係る話題がすっぽりと抜け落ちていた．すなわち，古典的な中心課題の一つであった「多重特異点の数え上げ」は，ほぼ未開拓のまま今に至る．この課題解決に向けた「多重特異点の普遍多項式理論」を紹介する．この私のアプローチは，微分トポロジーにおいてR. Thom が創始した諸理論の代数幾何版での統合というべき着想に基づいて，Thom-Mather理論，代数的コボルディズム，代数的コホモロジー作用素を駆使する．

連続講義：なお12月11日（月），12月13日（水），12月15日（金），12月18日（月）に理学部1号館3階基礎数理演習室で集中講義が開催されます．初回は12月11日の13時00分開始です．