埼玉大学幾何セミナー
2023年5月25日(木) 16:30--18:00
測度距離空間の錐の収束とCauchy分布への応用
講演者
数川 大輔氏(九州大学)
会場
基礎数理演習室
アブストラクト
測度距離空間(の同型類)全体上に集中位相と呼ばれる位相がGromovによって導入されている.集中位相は,測度の集中現象(高次元空間上の測度の偏り現象)に基づく収束概念を与え,次元が無限大に発散する空間列に対しても良い収束性を持つ.高次元の幾何学や測度論を理解する上で集中位相は興味深い対象である.
本講演では,集中位相に関して収束する空間列の錐の列が再び収束することについて述べる.また本結果の応用として,Cauchy分布を持つユークリッド空間の次元を無限大に発散させたときの極限空間を決定することができたのでご紹介したい.本講演は福岡大学の江崎翔太氏,三石史人氏との共同研究に基づく.